長期優良住宅の条件とメリットを解説!手続きのポイントまで詳しく
コスモ建設です。いつも記事を見てくださってありがとうございます。
マイホームの購入を検討している方なら「長期優良住宅」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
長期優良住宅とは、長期間にわたって安心して快適に住み続けられると、国から認められた質の良い住宅のこと。
認定を受けるには、複数の条件を満たす必要があります。
長期優良住宅の認定には多くのメリットがあり、所有者は税制面などのさまざまな優遇措置を受けることができます。
そこで今回は、長期優良住宅の基準の条件や制度の内容、メリット・デメリット、手続きの流れなどについて詳しくご紹介します!
目次
長期優良住宅とは?始まった背景や目的も解説
長期優良住宅とは、長期間にわたって安心して快適に住み続けられると、国から認められた質の良い住宅のこと。
長期優良住宅普及促進法に基づき、認定が行われています。
長期優良住宅の認定を受けるには、長期にわたり良好な状態で住み続けるために、大きく分けて以下の5つの対策をとらなくてはなりません。
長期に使用するための構造及び設備を有していること
- 居住環境等への配慮を行っていること
- 自然災害等への配慮を行っていること
- 一定以上の住戸面積を有していること
- 維持保全の期間、方法を定めていること
これらの国が定めた長期優良住宅認定制度の基準を全て満たし、所管行政庁へ申請を行うと、長期優良住宅としての認定を受けることができます。
住宅が長期優良住宅として認定された場合、その所有者は税金の控除や保険料の割引、補助金などといった金銭的な優遇措置を受けることができます。
長期優良住宅が始まった背景や目的とは
従来の日本の住宅の寿命は30年程度。
イギリスの約81年、アメリカの約67年と比べて非常に短いという特徴があります。
そのため、「建てて、居住して、30年ほど経てば壊す」という住宅の在り方が普通でした。
しかし、住宅の解体から大量に発生する産業廃棄物は、地球環境に悪影響を与えます。
また、住宅の寿命が短いと世代ごとに家を建ててローンを返済しなくてはいけないため、豊かな生活も送りにくくなってしまいます。
そこで住宅の寿命を延ばすべく定められたのが、長期優良住宅認定制度です。
建てては壊す住宅の扱い方ではなく、品質の良いものをつくり、手入れをしながら長く住むストック型の住宅の在り方に変化していくことが重要になってきたのです。
長期優良住宅の認定基準の条件とは?

「長期優良住宅」の認定を受けるためには、2009年より開始された「長期優良住宅認定制度」の基準を満たしていなくてはいけません。
前の章でも少し触れた長期優良住宅の認定基準について、具体的な認定条件を詳しくご紹介していきましょう。
耐震性
極めて稀に発生する大地震時の損傷のレベルの低減を図り、継続利用が容易であることが求められます。
具体的な条件は、以下のとおりです。
- 耐震等級2以上
- 耐震等級1、かつ安全限界時の層間変形1/100(木造の場合1/40)以下
- 耐震等級1、かつ各階の張り間方向およびけた行方向について所定の基準に適合するもの(鉄筋コンクリート造等に限る)
- 品確法に定める免震建築物であること
上記のいずれかに該当する場合、【耐震性】の条件は満たされます。
耐震等級については、「耐震等級とはどんな基準?地震や災害に強い家を建てるポイントを紹介」もご確認ください。
また、北海道で高い耐震等級に対応するハウスメーカーを選ぶためのポイントは、「北海道で地震に強い丈夫な家を建てられるハウスメーカーを選ぶ!」でご紹介しています。
劣化対策
数世帯にわたって住宅の構造躯体が使用できることも条件です。
具体的な条件は、以下の2つを満たすことです。
- 劣化対策等級3相当であること
- 構造の種類に応じた基準を満たすこと
構造の種類に応じた基準とは、以下のようなものを指します。
- 木造の場合:床下及び小屋裏の点検口を設置すること、床下空間に有効高さを確保することなど
- 鉄骨造の場合:柱・梁・筋交に使用している鋼材の厚さ区分に応じた防錆措置を行うこと、または上記木造の基準を満たすこと
- 鉄筋コンクリート造の場合:水セメント比を減らすか、かぶり厚さを増すこと
上記のように、75年から90年程度(3世代)、継続して使用できる等級と構造の種類ごとの措置が必要とされています。
維持管理・更新の容易性
構造躯体に比べて設備配管等は耐用年数が短く、取り替えや補修が必要になるため、維持管理がしやすいことが求められます。
- 具体的には、以下の条件が定められています。
- 維持管理対策等級3(専用配管)
- 維持管理対策等級3(共用配管)※共同住宅のみ
- 更新対策等級3(共用排水管)※共同住宅のみ
更新時の工事が軽減される措置が講じられること、構造躯体等に影響なく配管の維持管理を行えることが重要視されています。
可変性(共同住宅・長屋)
ライフスタイルの変化に応じて将来の間取り変更がしやすい措置が必要です。
具体的には、躯体天井の高さが2,650mm以上であることが求められます。
省エネルギー性
必要な断熱性能などの冷暖房時の省エネ性能が確保されていることが条件です。
- 断熱等性能等級5
- 一次エネルギー消費量等級6
具体的な条件としては、上記の2つを満たす必要があります。
これらの基準はZEH水準に該当します。
バリアフリー性(共同住宅等)
将来のバリアフリー改修に対応できるよう、共用廊下の幅・勾配、エレベーターの開口幅に必要なスペースが確保されていることも条件です。
具体的には、共用部分において高齢者等配慮対策等級3を満たすことが求められます。
居住環境
地域の街並みの維持向上に配慮されたものであることが条件です。
決められた景観などのルールに則って街並みに調和することが求められます。
所管行政庁が審査することになりますが、所管行政庁によって基準は異なります。
住戸面積
良好な居住水準の面積を確保していることが条件です。
- 戸建では75平米以上
- 共同住宅では40平米以上
※少なくとも1つの階の床面積が40平米以上
地域によってこの基準は異なる場合があるので、所管行政庁への確認が必要です。
維持保全計画
将来を見据えて定期的な点検・補修等の計画があることが条件です。
具体的には、以下の部分が対象となります。
- 住宅の構造耐力上主要な部分
- 住宅の雨水の侵入を防止する部分
- 住宅に設ける給水または排水のための設備
10年に1度、30年間は点検を行うことが求められています。
災害配慮基準
自然災害による被害の発生の防止または軽減に配慮されたものであることが条件です。
災害発生のリスクがある地域においては、認定を行わない地域もあるため確認が必要です。
また、そのリスクの高さに応じて所管行政庁が定めた措置を講じることも必要となります。
以上の10項目全ての基準を満たしていれば、長期優良住宅の認定を受けることができます。
ただし、バリアフリー性や可変性に関しては一戸建て住宅への適用はなしとされています。
詳しい条件については国土交通省「長期優良住宅のページ」「長期優良住宅認定制度の概要について」もご参考ください。
長期優良住宅のメリット・デメリットもチェック!
長期優良住宅のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅の認定を受けた住宅は、耐震性、耐久性、可変性等に優れ、住宅の性能が高く良質なため、建築コストが一般より高くなる傾向があります。
しかし、良質な住宅ストックを普及させ、世代を超えて利用し続けるために、さまざまな優遇措置が受けられるようになっています。
詳しく紹介していきましょう。
税の特例措置
税の特例措置としては、以下のような優遇措置が用意されています。
■所得税(住宅ローン減税)※2030年12月31日までに入居した場合
控除対象限度額:4,500万円
(子育て世帯または若者夫婦世帯の場合5,000万円)
■所得税(投資型減税)※2028年12月31日までに入居した場合かつ住宅ローンを利用しない場合
標準的な性能強化費用相当額の10%(上限額650万円)をその年の所得税から控除
※住宅ローン減税との併用は不可
■登録免許税 ※2027年3月31日までに新築された住宅
- 所有権保存登記の場合:0.15 %から 0.1%へ引き下げ
- 移転登記の一戸建ての場合:0.3%から0.2%へ引き下げ
- 移転登記のマンションの場合:は0.3%から0.1%へ引き下げ
■不動産取得税 ※2026年3月31日までに新築された住宅
控除額を1,200万円から1,300万円に引き上げ
■固定資産税 ※2026年3月31日までに新築された住宅
- 戸建て:1/2減額期間を1〜3年間から1〜5年間に延長
- マンション:1/2減額期間を1〜5年間から1〜7年間に延長
住宅ローンの金利引き下げ
■フラット35S(金利Aプラン)及び維持保全型
- フラット35の借入金利を当初5年間は年0.75%引き下げ
- フラット35子育てプラス利用の若年夫婦世帯または子ども1人の世帯の場合、当初5年間は年1.0%引き下げ
■フラット50
返済期間の上限が50年間で、住宅売却の際に、借入金利のままで購入者へ住宅ローンの返済を引き継ぐことが可能
地震保険料の割引
◼︎耐震等級割引
- 耐震等級2:30%
- 耐震等級3:50%
◼︎免震建築物割引:50%
みらいエコ住宅2026事業
長期優良住宅やZEH住宅の新築等に対し、支援を行う制度が実施されます。
- 長期優良住宅の新築:補助額75万円/戸(一部地域80万円/戸)
- 古家の除去を行う場合:95万円/戸(一部地域100万円/戸)
※2025年11月28日以降に工事着工したもの(新築は基礎工事に着手)
制度の詳細は国土交通省「みらいエコ住宅2026事業の概要」をご確認ください。
このように、長期優良住宅には多くの優遇措置があり、一般住宅との優遇差は大きなものになります。
また、長期優良住宅は国の認定制度であり、高性能な家であることを国に認められているという付加価値があります。
「良いものを長く使う」というストック型社会を目指すこれからの日本では、長期優良住宅の価値は高まり、売却価格が高くなりやすい点もメリットの一つでしょう。
快適で安心できる住宅かつ何世代にもわたって住み継げる住宅が手に入ることも魅力といえます。
長期優良住宅のデメリット
長期優良物件の認定を受けるには、着工前の申請や完成後の点検にさまざまな手間がかかる他、建築コストのアップや申請費用がかかるなどのデメリットもあります。
建築費用が高い、申請費用が必要
長期優良物件は認定条件を満たした高性能で良質な住宅のため、通常の住宅よりもグレードの高い構造部材や住宅設備を選ぶ必要があり、建築費用が高くなります。
また、長期優良住宅制度を申請する際には、書類作成や代行申請に別途申請費用がかかります。
一般の住宅よりもコストがかかってしまうところがデメリットでしょう。
定期的な点検とメンテナンスが必要
長期優良住宅は、品質を保つために建築した後も定期的な点検とメンテナンスが必要となります。
点検で品質を満たしていないと判断された場合は、修繕をする必要があるので、費用を負担しなくてはいけません。
点検や修繕の内容を市区町村から求められた場合には報告が必要となり、適切に実施していないと認定が取り消される場合もあります。
長期優良住宅で高性能な住宅を建てても、継続的にメンテナンスをしなければ性能は落ちてしまい、長期にわたって住むことはできません。
長期優良住宅の認定手続き
長期優良住宅の認定手続きは、以下の流れで進めます。
①登録住宅性能評価機関への確認
長期優良住宅の認定にあたっては、まず登録住宅性能評価機関に対し、長期使用構造であるかの確認を申請し、確認書を交付してもらう必要があります。
登録住宅性能評価機関への確認時に必要な書類は、以下のとおりです。
- 確認申請書または設計住宅性能評価申請書
- 添付図書(設計内容説明書、各種図面等)
②所管行政庁への申請
次に、以下の必要書類を所管行政庁へ提出し、長期優良住宅の認定申請を行います。
- 確認書
- 認定申請書
- 添付図書(各種図面等)
- その他必要な書類
行政庁への認定申請は、必ず工事の着工前までに行うようにしましょう。
着工後の申請は一切不可となっているのでご注意ください。
また、長期優良住宅の基準確認などにより、工事の着工はやや遅れる可能性があります。
③認定通知
所管行政庁は適合審査を行い、認定の可否を判断します。
認定となった場合には、認定通知書が送付されます。
これらの手続きは、施工業者に代理を依頼することも可能です。
全体の費用は、事務手数料と代行手数料を合わせて20万〜30万円程度が目安です。
この記事のポイント
長期優良住宅の認定を受けるには、「耐震性」「劣化対策」「維持管理・更新の容易性」「可変性(共同住宅・長屋)」「省エネルギー性」「バリアフリー性(共同住宅等)」「居住環境」「住戸面積」「維持保全計画」「災害配慮基準」の基準を満たす必要があります。
長期優良住宅の認定には、税金の控除などさまざま優遇措置が受けられるというメリットがあります。
また、付加価値により売却金額が高くなりやすく、世代をまたいで住み続けられる点も魅力です。
一方、着工前の申請や完成後の点検にさまざまな手間がかかる他、建築コストのアップや申請費用がかかるなどのデメリットがあることもあわせて覚えておきましょう。
今後さらに進むであろうストック型社会への対応を踏まえても、住宅の取得にあたっては長期優良住宅の認定取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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