コスモ建設です。いつも記事を見てくださってありがとうございます。
十数年前に人気に火が付き、現在も特にファミリー層からの支持が厚いリビング階段。
リビング階段は高いデザイン性が魅力ですが、一方で「寒い」という評判があるのは気になるところですよね。
では、リビング階段が寒いというのは本当なのでしょうか?
今回は、リビング階段が寒いといわれる理由と寒さ対策について、リビング階段のメリット・デメリットとともに、詳しく解説していきます。
リビング階段とは?設けるメリット・デメリット
そもそもリビング階段とは、廊下ではなくリビングに設置された階段のこと。
「リビングイン階段」とも呼ばれています。
リビング階段を設けることには、多くのメリットとともに注意しておきたいデメリットもあります。
リビング階段を設けるメリット
まずは、リビング階段のメリットについてみていきましょう。
リビング階段には、次のようなメリットが期待できます。
- デザイン性が高くおしゃれに見える
- 部屋が広く開放的に見える
- 家族と顔を合わせる機会が増える
- 夏のリビングが涼しい
- 2階で部屋干しがしやすい
リビング階段はデザイン性が高く、部屋を広く見せられる点が大きなメリット。
特にスケルトン階段などのオープンなつくりのリビング階段は、部屋のおしゃれさや開放感を演出してくれます。
2階に窓を設ければ、光を効果的に取り込むことができて明るいリビングになりますし、吹き抜けをあわせて取り入れることで、さらにリビングを広々と見せることも可能です。
また、2階に行くために必ずリビングを通る必要があるので、家族同士で顔を合わせる機会が増えます。
暖かい空気が2階に上がるため夏のリビングでは涼しく過ごせること、暖かい空気が流れ込みやすい2階では干した洗濯物が乾きやすいことも、リビング階段のうれしいメリットです。
2階での部屋干しは、来客者に洗濯物を見られにくく、洗濯物も各部屋にしまいやすいので、家事動線も良くなりそうですね。
このように、リビング階段には暮らしをより良くするメリットがたくさん!
広く明るい快適なリビングを実現するために、リビング階段は役立ちます。
リビング階段を設けるデメリット
リビング階段にはたくさんのメリットがありますが、一方でデメリットもある点には注意しなければなりません。
リビング階段のデメリットには、次のようなものがあります。
- エアコンの効きが悪くなる
- 冬場のリビングが寒くなる可能性がある
- においや音が階段から伝わりやすい
リビング階段は、リビングから2階の廊下が階段でつながっている状態です。
リビングの空気が階段から逃げていってしまうため、エアコンの冷暖房の効きはどうしても悪くなってしまいます。
特に冬場は、リビングに冷気が下りてきてしまうことがあるので、寒さを感じる可能性があります。
また、1階と2階でにおいや音が伝わりやすいのもデメリット。
料理のにおいが2階へ伝わってしまったり、2階の物音が下へ響いてしまったりすることが考えられます。
リビング階段は寒いって聞くけど実際は?
デメリットとして少し触れましたが、リビング階段を設置するとリビングが寒くなる可能性は確かにあります。
その原因は、次の2つ。
- 気密性が低下するから
- コールドドラフト現象が発生するから
リビング階段のリビングが寒いと感じやすいのは、2階とリビングがドアなどで隔てられていないため気密性が低いから。
隔てるものがないと、せっかくの暖かい空気が階段を通して漏れてしまいます。
そして、リビングはコールドドラフト現象の影響を受けやすいというのも、寒くなる原因の一つです。
空気には、冷たいものは下へ、暖かいものは上へと流れていく性質があります。
暖房をつけると、暖められた空気は上に溜まりますが、その一部は冷たい窓ガラスで冷やされ、結果として冷たい空気だけが下へ溜まることに。
これを「コールドドラフト現象」と呼びます。
2階とリビングに隔たりがなく直結していると、コールドドラフト現象により、2階に暖かい空気が逃げ、リビングに冷たい空気が降りてくることになります。
そのため、冬場にリビングが寒いと感じてしまうのですね。
ただし、リビング階段のあるリビングでは、同じ理由(冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まる性質)によって、夏場は涼しく過ごすことができます。
また、最近の住宅は、家自体の気密性にこだわったものが多いです。
そのため、リビング階段にしても寒さを感じにくいと考えられます。
特に、あえてリビング階段とその快適さをおすすめしているメーカーは、それだけ高気密で寒さ・暑さに強い家を建てる自信があるハウスメーカーだともいえるでしょう。
リビング階段で寒い!とならないための対策を
住宅にリビング階段を設置する場合には、「寒い!」とならないための対策が必要です。
ここからは、リビング階段の寒さ対策として、住宅の設計時に気をつけたいポイントを、住宅建設後の対策とあわせてご紹介します。
高気密・高断熱のつくりにする
まず重要なのは、高気密・高断熱のつくりにこだわること。
気密性は家の中の隙間が少ないこと、断熱性は外気の影響を受けにくくすることを指す言葉です。
気密性・断熱性の高い住宅では、エアコンの効きは良く、外の温度に室内が影響を受けることもあまりありません。
夏には家全体が涼しく、冬には暖かく過ごすことができます。
高気密・高断熱の住宅を建てるためには、壁や天井、床などに断熱材を入れることはもちろん、然るべき場所にドアを設置して気密性を高めたり、複層ガラスの窓を設置して外気の影響を少なくしたりすることが効果的。
高気密・高断熱の住宅であれば、リビング階段でも寒く感じることはほとんどないと思います。
気密性の高い家の特徴については、「気密性の高い家のメリット・デメリット!気密測定とはどんなもの?」もお読みください。
また、窓の設置による断熱対策については「北海道の寒さ対策は窓がカギ!冷気の遮断方法や断熱性の高い窓は?」でもご紹介しています。
ドアや窓の位置を工夫する
リビング階段を採用する場合には、ドアや窓など、空気や熱の通り道となる建具の位置を工夫することも大切です。
例えば、リビングに冷えた空気が直接入らないよう玄関とリビングの間にドアを設置したり、玄関のドアとリビングのドアが一直線にならないよう配置したりすることは、リビングの冷え対策に有効です。
また、コールドドラフト現象による冷えを避けるには、階段の真上に窓を設置するのは避けたほうが良いでしょう。
床暖房を設置する
1階のリビングを暖かくするなら、床暖房を設置するのもおすすめです。
冷たい空気は床付近に溜まりやすいですが、床暖房があれば、足元からくる冷えを改善することができます。
火を使わずに部屋を暖めることができる床暖房は、安全性が高いのも魅力。
住宅を建てる際には、床暖房の導入も検討してみましょう。
床暖房の特徴については「北海道で床暖房は効果があるの?床暖房の特徴やメリットは?」もぜひお読みください!
リビングと階段を仕切る
もしリビング階段の住宅を建てた後に寒さが気になった場合には、リフォームやDIYでリビングと階段を仕切ることも考えてみましょう。
例えば、リビングと階段の間に扉を付ければ、冷たい空気はリビングに降りてきにくくなります。
扉は引き戸にすると、出入りの際に人とぶつかる心配がなく、スペースも取りません。
また、ドアの取り付けよりも簡単にできるのが、カーテンやロールスクリーンの設置です。
なるべく簡単に取り付けたいなら、つっぱり棒でのれんのようなものを付けたり、つっぱりタイプのカーテンレールを使ったりしてもいいでしょう。
階段を暖める
リビング階段から降りてくるリビングの寒さは、階段自体を暖めることで解決できる可能性があります。
エアコンの向きや強さを調整したりヒーターをつけたりして、階段の温度を上げるようにしましょう。
ただし、光熱費が高くなる可能性がある点には注意が必要です。
室内の空気を循環させる
コールドドラフト現象では、窓で冷やされた冷たい空気が足元に滞留します。
この現象による寒さを改善するには、室内の空気をしっかり循環させて、冷たい空気の滞留を防ぐことが効果的です。
サーキュレーターや換気扇、シーリングファンなどを使って、リビングと2階の空気を撹拌しましょう。
この方法は、スケルトン階段などで階段に壁が無く、扉やカーテンを取り付けられないときに使えます。
この記事のポイント
リビング階段とは、リビングに直接設置された階段のこと。
デザイン性が高く部屋を広く見せられる、家族と顔を合わせやすいなど、リビング階段にはたくさんのメリットがあります。
ただし、エアコンの効きが悪くなったりにおいや音が伝わりやすかったりする点には注意が必要です。
また、リビング階段を設置した場合には、冬場のリビングが寒く感じてしまうこともあります。
リビングと階段を隔てるものがなく、コールドドラフト現象の影響を受けやすくなってしまうのが、その理由です。
リビング階段で寒く感じることを避けるためには、高気密・高断熱にこだわり、ドアや窓の位置を工夫しながら住宅の設計をすることが大切。
床暖房の導入も検討すると良いでしょう。
もし住宅を建てた後に寒さが気になった場合には、リビングと階段を仕切ったり空気を循環させたりする対策で、リビングでの冷気の滞留を防ぐようにしてくださいね。
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